【弁護士の視点】阪神・伊原陵人投手の女性トラブル報道|酒席での行為は暴行罪になる? |福岡で弁護士が刑事事件(示談交渉)をスピード解決

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【弁護士の視点】阪神・伊原陵人投手の女性トラブル報道|酒席での行為は暴行罪になる?

はじめに

2026年8月19日、阪神タイガースの伊原陵人投手について、今年1月の酒席で一般女性とのトラブルがあったとする週刊誌報道がありました。

一部週刊誌では、伊原投手が酒席で女性の髪をつかむなどの行為をしたと報じられています。

これを受け、阪神球団は本人への聞き取りを行い、8月20日、球団本部長が報道内容について「おおむね一致している」と説明したと報じられました。球団は伊原投手の出場選手登録を抹消し、当面2軍で調整させる方針を示しています。伊原投手も球団を通じて謝罪のコメントを発表しています。

ここで注意が必要です。2026年8月20日時点の報道では、被害者側が警察に被害届を提出した事実は確認されておらず、伊原投手が逮捕された、書類送検されたなどの刑事手続に進んでいるとの情報も確認されていません。

また、球団が報道内容と「おおむね一致している」と説明したからといって、週刊誌に記載された個々の事実がすべて確認されたと評価することも適切ではありません。

そこで本稿では今回の報道をきっかけとして、一般論として、酒席で他人の髪をつかむなどの行為があった場合に暴行罪が成立する可能性、被害届が出ていない場合の刑事手続などについて弁護士の視点から解説します。

髪をつかむ行為でも暴行罪になる?

「暴行」と聞くと、相手を殴ったり蹴ったりする場面をイメージする方が多いかもしれません。

しかし、刑法上の暴行は、殴る・蹴るといった行為に限られません。

相手の身体に対して不法な有形力を行使したと評価される行為であれば、具体的な状況によっては暴行罪が成立する可能性があります。

たとえば、相手を強く押す、胸ぐらをつかむ、髪をつかんだり引っ張ったりするといった行為についても、暴行罪が問題となることがあります。

一方、実際にどのような行為があったのか、どの程度の力が加えられたのかなどによって法的評価は異なります。

したがって、今回報道されている行為について、本稿が伊原投手に暴行罪が成立すると判断するものではありません。 関連記事 暴行・傷害・傷害致死

けがをさせれば傷害罪が問題になる

暴行によって相手にけがをさせた場合には、傷害罪が成立する可能性があります。

一般的には、

身体に対する暴行があったものの傷害結果が生じていない場合 → 暴行罪

暴行によって傷害結果が生じた場合 → 傷害罪

という違いがあります。

もっとも、今回の件について女性に傷害が生じたと本稿で確認しているわけではありません。そのため、伊原投手について傷害罪が問題になると評価する趣旨ではありません。

あくまで一般論として、酒席での身体的なトラブルでは、行為そのものだけでなく、相手にけがが生じたかどうかも刑事法上重要になります。

酒に酔って覚えていなければ犯罪にならない?

飲酒を伴う事件について相談を受ける際、

「かなり酔っていた」

「当時のことをよく覚えていない」

という話が出ることがあります。

しかし、酒に酔っていたことや、後から記憶がないことだけで直ちに刑事責任がなくなるわけではありません。

もちろん、刑事責任を判断するうえで当時の精神状態が問題となる場合はありますが、自ら飲酒した結果として酔っていたというだけで、「覚えていないから犯罪にならない」と考えることはできません。

また、飲酒が事件のきっかけになった場合には、事実関係を認めるだけではなく、今後同じことを起こさないために飲酒方法を見直すなど、具体的な再発防止策を講じることも重要です。 関連記事 酒に酔って暴行・傷害事件を起こした

被害届が出ていなければ刑事事件にならない?

今回の報道では、8月20日時点で被害者側が警察に被害届を提出した事実は確認されていないとされています。

では、被害届が提出されていなければ、刑事事件になることはないのでしょうか。

そうとは限りません。

暴行罪や傷害罪は、被害者の告訴がなければ起訴できない犯罪ではありません。そのため、捜査機関が犯罪の疑いを把握すれば、被害届が提出されていなくても捜査が行われる可能性があります。

反対に、週刊誌等でトラブルが報道されたからといって、当然に警察が捜査を開始するわけでもありません。

今回の件についても、現時点で刑事事件化していると断定することはできません。

被害届が出る前にできる活動

被害者のいる暴行・傷害事件で、本人が事実関係を認めている場合には、できるだけ早い段階で被害者への謝罪、被害弁償、示談を検討することが非常に重要です。

被害届が提出される前であっても、弁護士を通じて被害者に謝罪し、被害を弁償したうえで示談が成立することがあります。

特に、示談によって被害が回復され、被害者が「処罰を望まない」という意思を示している場合には、その後の刑事手続に非常に大きな意味を持ちます。

事件の内容や前科前歴、被害の程度などによって結論は異なるため、「示談が成立すれば必ず不起訴になる」と断定することはできません。

しかし、被害者のいる暴行・傷害事件で示談が成立し、被害者の処罰感情も解消されている場合には、実務上、不起訴処分や微罪処分となる可能性はかなり高まります 関連記事 示談交渉について

関連記事 【示談による早期解決】警察による捜査開始前の段階で示談により解決したケース 関連記事 不起訴にして欲しい

まとめ

今回、阪神タイガースの伊原陵人投手について、酒席で一般女性とのトラブルがあったとの報道があり、球団は本人への聞き取りを行ったうえで、報道内容と「おおむね一致している」と説明したと報じられています。

一方、2026年8月20日時点では、被害届が提出された事実は確認されておらず、伊原投手が逮捕・書類送検されたなどの刑事手続に進んでいるとの情報も確認されていません。

そのため、今回の報道を直ちに「刑事事件になった」「暴行罪が成立した」と評価することは適切ではありません。本稿は、あくまでも一般論としての刑事手続きについて弁護士の視点から述べたものです。

※本稿は2026年8月21日時点で公表されている報道をもとに、刑事法上の一般論を解説したものです。伊原陵人投手について犯罪事実が認定されたことを前提とするものではなく、週刊誌報道に記載された個々の事実が真実であると認定する趣旨でもありません。また、今後刑事事件化するか、どのような処分がなされるかを予測するものでもありません。

この記事の監修者:弁護士 原 隆(福岡県弁護士会所属。登録番号52401)

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