配偶者(夫・妻)が逮捕された場合の離婚への影響と示談の重要性 |福岡で弁護士が刑事事件(示談交渉)をスピード解

原綜合法律事務所 対応地域/福岡県及び近県(九州及び山口県)
弁護人選任検討の方専用の相談ダイヤル/050-7586-8360/【24時間受付・初回無料(加害者本人と親族のみ)】 メールでのご相談も受付中

配偶者(夫・妻)が逮捕された場合の離婚への影響と示談の重要性

はじめに

配偶者が突然逮捕されたとき、ご家族が直面する問題は刑事手続きだけではありません。「逮捕を理由に離婚できるのか」「離婚を切り出されたらどうすればよいのか」「子どもの親権はどうなるのか」——刑事事件と並行して、夫婦関係や家庭生活の将来に関する深刻な不安が押し寄せます。

配偶者の逮捕が離婚に直結するとは限りませんが、事件の内容や対応の仕方によっては、離婚の理由として認められたり、親権や財産分与の判断に影響を及ぼしたりすることがあります。一方で、刑事事件における示談の成否が、離婚問題の行方にも間接的に影響を与えるケースは少なくありません。

本コラムでは、配偶者が逮捕された場合に離婚にどのような影響があるのか、逮捕された側・された側それぞれの立場からの留意点、そして示談が持つ重要性について解説します。

配偶者の逮捕は離婚理由になるのか

協議離婚の場合

日本の離婚の大多数を占める協議離婚は、夫婦双方が合意すれば理由を問わず成立します。したがって、配偶者の逮捕をきっかけに双方が離婚に合意すれば、それだけで離婚は成立します。逮捕という事実そのものが法的な離婚原因かどうかは、協議離婚においては問題になりません。

裁判離婚の場合

一方が離婚に応じない場合には、最終的に裁判で離婚の可否が判断されます。裁判離婚が認められるためには、民法第770条第1項に定められた法定離婚事由のいずれかに該当する必要があります。

配偶者の逮捕との関係で問題となり得る法定離婚事由は、主に以下の2つです。

第一に、「配偶者から悪意で遺棄されたとき」(同項第2号)です。逮捕・勾留により長期間にわたって家庭を顧みることができず、経済的な支援も途絶えた場合には、悪意の遺棄に該当する可能性があります。ただし、逮捕・勾留は本人の意思によるものではないため、この要件が認められるハードルは高いのが実情です。

第二に、「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」(同項第5号)です。実務上、配偶者の犯罪行為が離婚理由として争われるケースでは、この包括条項が根拠となることが最も多いといえます。犯罪行為の内容が婚姻関係の継続を困難にするほど重大であるか、逮捕・服役によって婚姻生活が実質的に破綻しているかなどが総合的に判断されます。

犯罪の内容による違い

すべての犯罪が等しく離婚理由として認められるわけではありません。裁判所は、犯罪の種類、重大性、婚姻生活への影響などを総合的に考慮します。

配偶者に対するDV(暴行・傷害)や性犯罪など、婚姻関係の信頼を根本から破壊する犯罪は、離婚が認められやすい傾向にあります。不貞行為に関連する犯罪(ストーカー行為等)も、民法第770条第1項第1号の「不貞な行為」と重なり、離婚理由として強く認められます。

一方、交通事故や職場でのトラブルなど、婚姻関係と直接の関連がない犯罪については、それだけでは離婚理由として認められにくい場合があります。ただし、実刑判決を受けて長期間の服役を余儀なくされるケースでは、婚姻生活の実質的な破綻を理由に離婚が認められる可能性が高まります。

逮捕が親権・養育費・財産分与に与える影響

親権への影響

配偶者の逮捕は、親権の判断にも影響を及ぼすことがあります。親権者の決定にあたっては、「子の利益」が最も重視されます。犯罪の内容が子どもの養育環境に悪影響を及ぼすと判断される場合、たとえばDVや薬物犯罪、性犯罪などの場合には、逮捕された配偶者が親権者として不適格と評価される可能性があります。

ただし、犯罪の内容が子どもとの関係に直接影響しない場合には、逮捕歴があることだけをもって親権が否定されるわけではありません。実際の養育実績、子どもとの関係性、今後の養育環境など、さまざまな事情が総合的に考慮されます。

養育費への影響

養育費の算定にあたっては、双方の収入が基本的な基準となります。逮捕・勾留中は就労ができず収入が途絶えますが、これは一時的な事情であり、釈放後に復職できる見込みがあれば、養育費の算定に大きな影響を及ぼすことは通常ありません。

一方、実刑判決を受けて長期間にわたり収入を得られない場合には、服役中の養育費の減額や免除が認められることがあります。

財産分与への影響

財産分与は、婚姻中に夫婦が協力して築いた財産を分けるものであり、原則として犯罪行為の有無によって分与の割合が変わることはありません。ただし、犯罪行為が婚姻関係の破綻原因となった場合には、慰謝料的財産分与として、有責配偶者の取り分が減じられることがあります。

逮捕された側が留意すべきこと

離婚を急がない

逮捕直後の混乱した状況の中で、配偶者から離婚を突きつけられることがあります。しかし、身柄を拘束されている状態で冷静な判断を下すことは困難です。離婚届への署名を求められても、弁護士に相談するまでは応じないようにしましょう。

特に、離婚に伴う親権、養育費、財産分与、慰謝料などの条件について十分な協議がなされないまま離婚届を提出してしまうと、後から不利な条件を覆すことが極めて難しくなります。

刑事弁護と家事問題の両面で相談する

逮捕された側の配偶者は、刑事事件の弁護と離婚問題への対応を同時に進めなければならない場合があります。刑事事件に精通した弁護士に依頼し、離婚問題についても見通しを共有しておくことで、両方の問題を整合性をもって対処することが可能になります。

配偶者が留意すべきこと

感情的な判断を避ける

配偶者の逮捕は大きな衝撃を伴いますが、怒りや失望から感情的に離婚を決断することは避けるべきです。特に子どもがいる場合には、子どもへの影響を十分に考慮した上で、慎重に判断する必要があります。

自身の権利を確認する

配偶者の犯罪行為がDVや不貞行為に関連する場合には、離婚に伴う慰謝料を請求できる可能性があります。また、犯罪行為によって経済的な損害を受けている場合には、財産分与の場面でもその事情を主張することが考えられます。弁護士に相談し、ご自身が持つ法的な権利を正確に把握しておきましょう。

示談が離婚問題に与える影響

刑事事件における示談の成否は、離婚問題にも間接的ながら重要な影響を及ぼします。

早期の身柄解放と家庭生活の維持

示談が成立し、早期に身柄が解放されれば、長期間の不在による家庭生活の断絶を防ぐことができます。身柄拘束が長引くほど、配偶者との関係は悪化し、離婚に至る可能性が高まります。早期の示談成立は、婚姻関係の修復にとっても重要な意味を持ちます。

不起訴処分の獲得と社会的ダメージの最小化

示談の成立により不起訴処分を獲得できれば、前科がつかず、社会的なダメージを最小限に抑えることができます。前科がつかないということは、職場復帰の可能性が高まり、家計の安定にもつながります。経済基盤の維持は、離婚を回避する上でも、万が一離婚に至った場合の養育費の支払いにおいても、重要な要素です。

実刑回避と家庭の維持

起訴されてしまった場合でも、示談の成立は執行猶予の獲得に大きく寄与します。実刑判決を受けて服役することになれば、家庭生活は長期間にわたって中断され、離婚に至る可能性が著しく高まります。示談によって執行猶予を獲得し、社会内での生活を継続できれば、家族関係を立て直す機会が残されます。

被害者が配偶者である場合

DV事件など、被害者が配偶者自身であるケースでは、示談の意味はさらに複雑になります。被害者である配偶者が離婚を望んでいる場合には、示談交渉の中で離婚条件(慰謝料、財産分与、養育費等)を併せて協議することもあります。一方、婚姻関係の継続を望んでいる場合には、示談を通じて再発防止策を明確にし、関係の修復を図る方向で交渉が進められることもあります。

おわり

配偶者の逮捕は、刑事手続きの問題にとどまらず、離婚、親権、養育費、財産分与など、家庭生活の根幹に関わる問題を引き起こす可能性があります。しかし、逮捕が直ちに離婚に結びつくわけではなく、適切な弁護活動と示談交渉を行うことで、刑事処分の軽減と家庭関係の維持の双方を実現できるケースは少なくありません。

当事務所では、初回相談無料・365日24時間のお電話対応で、刑事事件に関するご相談を受付けてしております。配偶者が逮捕されてお困りの方は、刑事手続きと家庭問題の両面から、まずはお気軽にご相談ください。


※本コラムは一般的な法律情報の提供を目的としたものであり、個別の事案に対する法的助言ではありません。具体的な事案については、弁護士にご相談ください。

 

この記事の監修者:弁護士 原 隆(福岡県弁護士会所属 登録番号52401)

原綜合法律事務所(福岡)のご案内

 ★所属弁護士について

 ★弁護士費用について

 ★お問い合わせ方法

刑事事件の弁護人選任を検討されている方の初回相談は無料【24時間受付】弁護士が対応可能な場合はそのまま直通で無料電話相談が可能です

刑事事件はスピードが重要!今すぐ無料相談