公然わいせつ罪で逮捕される行為とは?逮捕後の流れや罰則について弁護士が徹底解説 |福岡で弁護士が刑事事件(示談交渉)をスピード解

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公然わいせつ罪で逮捕される行為とは?逮捕後の流れや罰則について弁護士が徹底解説

公然わいせつ罪とは、刑法174条に定義される隠し立てすることなく公然とわいせつな行為をすることです。この公然わいせつ罪が成立して逮捕される行為、逮捕後の流れ、罰則などについて分かりやすく解説していきます。

 

はじめに

 

多数の人や不特定な人が認識できる状態でわいせつな行為をすると、公然わいせつ罪により逮捕される可能性があります。

それでは、公然わいせつ罪とは具体的に、どのような犯罪なのでしょうか?

また、公然わいせつ罪で逮捕された場合、どのような対応をすればよいのでしょうか?

この記事では、公然わいせつ罪が成立して逮捕される行為とはどのようなものか、逮捕後の流れや罰則について解説していきます。

 

公然わいせつ罪の概要

 

公然わいせつ罪とは、刑法174条に定められた公然とわいせつな行為をする犯罪のことです。

公然とは不特定の人や大勢の人が確認できる状態のことをいい、その中で陰部を露出するなどのわいせつな行為をすると公然わいせつ罪が成立します。

公然わいせつ罪の目的には、公の性風俗の取り締まりという一面がありますので、不特定の人や大勢の人がすべて同意をしていたとしても成立します。

 

公然わいせつ罪が成立する要件とは?

 

公然わいせつ罪は公然とわいせつ行為をした者が問われますが、その成立要件は以下の3つの条件を満たした場合です。

・公然性があること

・わいせつ性があること

・故意であること

 

公然性があること

 

公然性があることとは、不特定の人や大勢の人が認識できる状態のことです。

これは、路上、公園、駅等の不特定多数が利用する場所での行為が当たります。

不特定の人や大勢の人が認識できる状態であれば、実際に認識される必要はありません。

たとえ誰も気づかなかった場合でも、誰かが認識できる可能性があれば公然性はあるとされます。

また、認識した人の全員が知り合い等の特定された人であっても、大勢の人がいれば公然性があると判断されます。

一方、公然性がないと判断されるのは、特定の人でありかつ少数の人である場合だけです。

 

わいせつ性があること

 

わいせつ性があることとは、法律上の明示はありませんが、一般的には性行為や性器の露出等はわいせつ性があると考えられます。

過去の判例では、以下のケースを満たせばわいせつ性があるとみなされました。

・悪戯に性欲を興奮させるまたは刺激させること

・普通の人の正常な性的羞恥心を害すること

・善良な性的道義観念に反していること

このように、わいせつ性とは、一般的、常識的な社会の基準で判断されるものです。

 

故意であること

 

公然わいせつ罪の成立には、故意であることも要件のひとつです。

故意であることとは、公然とわいせつ行為をすることを本人が認識していて認容していることです。

すなわち、本人が公然とわいせつ行為をわざと行うことであり、他の人に無理矢理性器を露出させられた場合等は公然わいせつ罪には当たりません。

 

公然わいせつ罪が成立する行為の例

 

公然わいせつ罪が成立するには、公然と故意にわいせつ行為をした場合です。

公然わいせつ罪が成立するための、いくつかの具体的な例を紹介します。

・路上や公園等の公共の場で全裸になったり、陰部を露出する行為

・車内、公園、マンガ喫茶、カラオケ等での性行為や性交類似行為

・不特定多数を集めての乱交パーティ等の行為

・ストリップ劇場等の性風俗店で、不特定多数が見れる状態での陰部等を露出する行為

・性行為をライブ中継する行為

 

公然わいせつ罪の刑罰

 

公然わいせつ罪は刑法174条に定められた刑事事件であり、公然わいせつ罪で起訴され、有罪が確定した場合、重い順に以下に処せられます。

6か月以下の懲役

30万円以下の罰金

・拘留

・科料

拘留とは1日以上30日未満の間で収容される刑罰で、科料とは1,000円以上1万円未満の金銭を支払う刑罰のことです。

また、公然わいせつ罪とまではいかない、わいせつな行為を犯した場合には、軽犯罪法での拘留や科料の対象に該当する可能性があります。

 

公然わいせつ罪で逮捕される可能性

 

公然わいせつ罪が成立したとしても、必ずしも逮捕されるわけではありません。

逮捕とは被疑者の身柄を拘束することであり、懲罰を目的とするものではないのです。

また、逮捕された場合でも必ずしも有罪判決となるわけではなく、不起訴になる可能性もあります。

一方、逮捕されなくても必ず無罪になるわけではなく、在宅起訴され有罪となる可能性もあり得ます。

逮捕の目的は証拠隠滅や逃亡を防ぐことであるため、公然わいせつ罪が成立しても証拠隠滅や逃亡する恐れがなければ、必ずしも逮捕されるわけではないのです。

 

公然わいせつ罪で逮捕されるパターン

 

公然わいせつ罪による逮捕には、犯行中か犯行直後で逮捕令状を受けることなく逮捕される現行犯逮捕と、逮捕令状が発行されてから逮捕される通常逮捕とがあります。

 

公然わいせつ罪による逮捕は、防犯カメラ等が証拠となり後から逮捕される通常逮捕は少なく、ほとんどが目撃者等の通報による早期の現行犯逮捕です。

 

公然わいせつ罪による逮捕を防ぐ方法

 

公然わいせつ罪で逮捕される条件を満たしている場合には、逮捕を避けることは難しいかもしれません。

しかし、逮捕される前に法律事務所等の専門家に相談をして弁護士等が以下の活動をすることにより、公然わいせつ罪による逮捕の可能性を減らすことが可能です。

 

自首をすること

 

逮捕されるということは、証拠隠滅や逃亡のおそれがあることになります。

罪を認めて自首をすることで、証拠隠滅や逃亡のおそれがないことを証明することが可能です。

ただし、自首をすれば必ず逮捕されないわけではありませんので、弁護士等に相談をして判断を仰ぐ必要があります。

弁護士といっしょに出頭することにより、捜査への協力姿勢を見せることが可能です。

また、弁護士との出頭であれば逮捕への抑止力にもなりますので、事が有利に動く可能性があります。

 

示談交渉を進めること

 

公然わいせつ罪は不特定多数に対して行う行為のため、他の性犯罪と違い直接被害者となる人がいない犯罪です。

そのため、被害者となる人と示談交渉を進めることは難しいです。しかし、実際にその場にいた人等の事実上の被害者と早期の示談を成立させることで、逮捕の可能性を減らすことができます。

 

公然わいせつ罪で逮捕された後の流れ

 

公然わいせつ罪で逮捕された場合は、その身柄は最大48時間以内に送致されます。

身柄の送致が行われた後に検察官がさらなる身柄の拘束が必要と判断した場合には、最大24時間以内に勾留請求が行われます。

勾留期間は原則として10日ですが、必要であればさらに10日間の勾留を延長することが可能です。

勾留期間に検察官が起訴か不起訴かを決定して、起訴された場合には刑事裁判が始まって判決へとつながっていきます。

ひとつひとつの流れについて、見ていきます。

 

送致

 

通常は逮捕されて身柄が拘束されてから最大48時間で検察へ身柄が送られますが、この行為のことを送致といいます。

検察は被疑者の取り調べ等を行い、被疑者を勾留するのか、釈放するのかを送致により身柄が送られてから24時間以内に決めなければなりません。

検察がさらに、被疑者の身柄を拘束する必要がある、と判断した場合、検察官が裁判所に被疑者の勾留請求を行います。

仮に勾留されずに釈放された場合であっても、必ずしも無罪というわけではなく、在宅事件となって引き続き取り調べ等を受けることも考えられますので注意が必要です。

 

勾留

 

裁判所から被疑者の勾留許可を受けた場合には、検察は原則10日間被疑者を勾留することができます。

勾留が許可されるには、決まった住所がないことや、証拠を隠滅する可能性があることや、被疑者が逃亡する可能性があることのいずれかが必要です。

「勾留」と似て非なる言葉として「拘留」がありますが、勾留とは被疑者を逮捕した後の身柄拘束であり、拘留とは有罪判決を受けた場合の罰則のことです。

勾留期間は原則10日間ですが、必要であればさらに10日間勾留を延長できますので、逮捕されてから最大23日間身体の拘束がされる可能性があることになります。

検察は、被疑者を勾留している期間内に起訴か不起訴かを決定しなければなりません。

公然わいせつにおいて起訴となった場合には、刑事裁判の請求である公判請求、または書類だけを裁判所に送付する罰金刑の請求である略式請求の2種類があります。

刑事裁判にはならない請求を含め、起訴された場合には、ほぼ確実に有罪となり刑事罰の対象となりますので注意が必要です。

一方、不起訴となった場合は、事件が完結して被疑者は釈放されます。

 

刑事裁判

 

公然わいせつ罪で起訴され公判請求になった場合には、起訴後約1か月後に第1回目の刑事裁判が行われます。

被疑者が犯行を認めている場合には、審理は通常1回だけで終了して次の期日には判決が言い渡されます。

起訴された場合にはほぼ確実に有罪となりますので、刑事裁判になる前に解決できるように弁護士等と相談することが大切です。

刑事裁判の場合には、被疑者の有罪無罪、量刑等が決定されて、有罪の場合は前科が付くこととなります。

 

逮捕後に釈放されるケース

 

公然わいせつ罪で逮捕され送致された場合には、取り調べ等により検察官が被疑者を勾留するのか釈放するのかを決定し、釈放が決定されればこの時点で釈放されます。

また、勾留後検察官が不起訴と判断した場合には、無罪となり刑罰を受けることなく釈放されます。

 

公然わいせつ罪で逮捕された場合のリスク

 

公然わいせつ罪で逮捕されると、通常の生活が送れなくなり、社会生活に大きなリスクを負う可能性があります。

公然わいせつ罪で逮捕される主なリスクは、以下のリスクです。

・実名報道により周囲に知られるリスク

・職場や学校に行けないリスクと知られるリスク

・家族に知られるリスク

・前科がつくおそれがあるリスク

ひとつひとつのリスクについて、見ていきます。

 

実名報道により周囲に知られるリスク

 

公然わいせつ罪で逮捕されると、実名で犯罪の事実を報道される可能性があります。

逮捕された被疑者が少年でなければ、実名を報道するかどうかは各報道機関の判断です。

そのため、公然わいせつ罪の程度や、被疑者の職業や、他に報道すべきニュース等の有無によっては、報道すべきと判断される可能性が高くなります。

インターネットニュース等で一度報道された場合には半永久的に情報が残ってしまうため、いつまでたっても周囲に知られるリスクが消えません。

 

職場や学校に行けないリスクと知られるリスク

 

逮捕されて身柄が拘束された場合には、会社員であれば職場に通勤することができなく、学生であれば学校に通学することができません。

また、携帯電話も使えなくなるため、職場や学校に連絡することもできません。

逮捕のみならず勾留までされた場合には、さらに通勤や通学ができない期間が長くなります。

会社員の場合は、無断欠勤が続くと懲戒解雇される可能性もでてきます。

また、実名報道された場合には会社や学校にも知られてしまうことも、リスクの一つです。

会社に知られてしまえば懲戒解雇の可能性がありますし、学校に知られてしまえば退学の可能性もあります。

 

家族に知られるリスク

 

公然わいせつ罪で逮捕されたことが、家族に知られたくない場合でも知られることを避けることは難しいです。

家族に知られることで、社会復帰に向けて家族が協力をしてくれるケースもあります。

一方、家族関係は家庭によって異なるため、逮捕をきっかけに家族関係が壊れてしまう可能性があります。

 

前科がつくおそれがあるリスク

 

公然わいせつで逮捕されて裁判で有罪となれば、前科がつくことになります。

逮捕イコール前科が付くわけではありませんが、被疑者が起訴されれば前科がつくおそれがあるのです。

 

公然わいせつ罪で不起訴になるための弁護活動

 

公然わいせつ罪で逮捕された場合、不起訴になるためには弁護士の活動が重要です。

不起訴になるための弁護士の活動として、以下が挙げられます。

 

意見書の提出

 

公然わいせつ罪で逮捕された場合には、長期の身柄拘束になる勾留を避けることが大切です。

そのため、弁護士が検察官や裁判官に対して、意見書を提出することが有効になります。

 

被害者との示談するための交渉

 

公然わいせつ罪において実際に被害を受ける人はいませんが、わいせつ行動の目撃者は実質的な被害者として扱われます。

この実質的な被害者である人に対して、被害弁償をして示談をすることが不起訴になるためには重要です。

弁護士は、被害者と示談するための専門性が高いため、うまく交渉することができます。

 

不起訴に有利になる証拠の収集

 

弁護士は、被害者の証言の信用性等を調査することも可能です。

できるだけ被疑者に有利になるような証拠を収集することで、不起訴を勝ち取るための活動を行います。

 

まとめ

 

公然わいせつ罪で起訴されて有罪になった場合

6か月以下の懲役

30万円以下の罰金

・拘留

・科料

などに処せられます。

公然わいせつ行為をした場合に、逮捕、勾留、起訴を避けるためには、弁護士等に相談をするとよいでしょう。

起訴されて有罪になってしまうと前科も付くことになりますので、できるだけ早期に弁護士を加えることが重要なのです。

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