前科がつくとどうなる?就職・海外渡航・結婚への影響を弁護士が解説 |福岡で弁護士が刑事事件(示談交渉)をスピード解

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前科がつくとどうなる?就職・海外渡航・結婚への影響を弁護士が解説

前科がつくとどうなる?就職・海外渡航・結婚への影響を弁護士が解説

はじめに

刑事事件で有罪判決を受けた場合、「前科」がつくことになります。前科がつくと具体的にどのような影響があるのか——漠然とした不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。

「就職できなくなるのではないか」「海外旅行に行けなくなるのか」「結婚に支障が出るのか」。こうした不安は、刑事事件の当事者やそのご家族にとって非常に切実な問題です。

前科による影響は、法律上の制限として明確に定められているものから、社会生活上の事実上の不利益まで、その範囲は多岐にわたります。本コラムでは、前科の意味と消滅の仕組み、就職・資格・海外渡航・結婚といった生活の各場面への具体的な影響について解説します。

前科とは

前科の定義

前科とは、刑事裁判において有罪判決が確定した経歴のことを指します。拘禁刑、罰金刑、拘留、科料のいずれであっても、有罪判決が確定すれば前科となります。執行猶予付きの判決であっても、有罪判決であることに変わりはないため、前科に該当します。

一方、不起訴処分の場合には前科はつきません。この点が、刑事事件において不起訴処分の獲得が極めて重要とされる最大の理由です。

前科と前歴の違い

前科と混同されやすい概念に「前歴」があります。前歴とは、捜査機関による捜査の対象となった経歴であり、逮捕歴や書類送検の事実などがこれに含まれます。前歴は、不起訴処分となった場合でも残りますが、法律上の資格制限の対象とはならず、一般に公開されるものでもありません。

前科は公開されるのか

前科の情報は、検察庁の犯歴記録および市区町村の犯罪人名簿に記録されます。しかし、これらの情報は一般に公開されるものではなく、本人や第三者が自由に閲覧できるものではありません。

したがって、前科があるという事実が自動的に周囲に知られるわけではありません。ただし、逮捕時の報道がインターネット上に残っている場合には、事実上、前科の存在が推知されるリスクがあります。

就職への影響

履歴書の賞罰欄

前科に関して最も多く寄せられるご質問のひとつが、就職活動への影響です。

履歴書に賞罰欄がある場合、前科は「罰」にあたるため、記載する必要があります。賞罰欄がある履歴書を使用している場合に前科を記載しなければ、後日発覚した際に経歴詐称として懲戒処分の対象となるおそれがあります。

一方、賞罰欄のない履歴書を使用する場合には、自ら前科を申告する法的義務はありません。また、面接で前科の有無を聞かれなかった場合にも、積極的に申告する義務は原則としてありません。ただし、直接質問された場合に虚偽の回答をすることは、信義則上の問題が生じ得るため注意が必要です。

公務員への就職

国家公務員法および地方公務員法は、禁錮以上の刑に処せられた者を欠格事由として定めています。禁錮以上の前科がある場合には、刑の執行が終了するまで(執行猶予の場合は猶予期間が満了するまで)公務員に採用されることができません。罰金刑にとどまる場合には、欠格事由には該当しません。

資格制限

前科は、さまざまな国家資格・業務資格の取得や維持に影響を及ぼします。

弁護士、医師、公認会計士、税理士、教員、看護師、宅地建物取引士、警備員など、多くの資格において、禁錮以上の刑に処せられた者を欠格事由として定めています。資格によって欠格期間や要件が異なるため、具体的な影響は個別に確認する必要があります。

なお、罰金刑の場合には欠格事由に該当しない資格が多いものの、一部の資格では罰金刑であっても欠格事由となる場合があります。

民間企業への就職

民間企業への就職については、法律上、前科を理由に一律に採用を拒否することを禁止する規定はありません。しかし、企業が前科の有無を調査する手段は限られており、前科の情報が採用過程で当然に判明するわけではありません。

現実的には、前科があることよりも、逮捕時の報道がインターネット上に残っていることのほうが就職活動に大きな影響を及ぼすケースが多いといえます。

海外渡航への影響

パスポートの取得

前科がある場合でも、パスポートの取得自体が不可能になるわけではありません。ただし、旅券法第13条は、一定の場合にパスポートの発給を制限できると定めています。刑の執行中や執行猶予期間中には、パスポートの発給が制限される可能性があります。

刑の執行を終えた後や、執行猶予期間が満了した後であれば、パスポートの取得に支障が生じることは通常ありません。

入国制限

前科による海外渡航への影響として、より実務上重要なのが、渡航先の国による入国制限です。

アメリカ合衆国は、入国審査が特に厳格な国のひとつです。ビザ免除プログラム(ESTA)の申請時に犯罪歴の有無を申告する必要があり、前科がある場合にはESTAが承認されず、大使館・領事館でのビザ申請が必要となる場合があります。ビザ審査においても前科の内容が考慮されるため、入国が認められないケースもあり得ます。

オーストラリア、カナダなども犯罪歴に関する審査が比較的厳しい国として知られています。渡航先の国の入国要件は随時変更される可能性があるため、渡航前に最新の情報を確認するか、大使館・領事館に問い合わせることをお勧めします。

前科の内容が軽微である場合や、刑の終了から相当期間が経過している場合には、入国が認められるケースもあります。具体的な対応については、入国管理に詳しい専門家に相談されるとよいでしょう。

結婚への影響

法律上の制限はない

結婚について、前科による法律上の制限はありません。前科があることを理由に婚姻届の受理が拒否されることはなく、法的には何の障害もなく結婚することが可能です。

事実上の影響

法律上の制限はないものの、事実上の影響が生じる可能性はあります。

まず、相手方やそのご家族に前科の事実が知られた場合に、心理的な抵抗感から結婚に反対されるケースがあります。前科の有無は極めてセンシティブな個人情報であり、いつ、どのように相手に伝えるかは慎重に検討する必要があります。

また、前科の存在を隠して結婚した場合に、後日発覚したことが夫婦関係の破綻につながることもあります。法律上、前科を秘匿していたこと自体が離婚事由に直結するわけではありませんが、信頼関係の根幹に関わる問題として深刻な事態を招くおそれがあります。

前科の消滅について

前科は永久に残り続けるものではありません。刑法第34条の2は、拘禁刑以上の刑の執行を終えた日から10年間、罰金刑の執行を終えた日から5年間、罰金以上の刑に処せられることなく経過したときは、刑の言渡しが効力を失うと定めています。

刑の言渡しが効力を失った場合、法律上は「刑に処せられたことがない者」として扱われます。これにより、前科に基づく欠格事由は消滅し、資格の取得が可能になるなど、法律上の不利益は解消されます。

前科を避けるために最も大切なこと

ここまで解説してきたとおり、前科がつくことによる影響は広範囲に及び、その後の人生に長期にわたる不利益をもたらし得ます。だからこそ、刑事事件においては、不起訴処分を獲得して前科をつけないことが最も重要な目標となるのです。

不起訴処分を獲得するためには、早期に弁護士に依頼し、被害者との示談交渉を迅速に進めること、検察官に対して不起訴が相当であることを説得的に主張すること、反省の態度と再発防止策を具体的に示すことが不可欠です。

おわりに

前科は、就職、資格、海外渡航、そして日常の人間関係に至るまで、生活のあらゆる場面に影響を及ぼす可能性があります。しかし、前科はあくまで有罪判決が確定した場合に生じるものであり、不起訴処分を得ることができれば、こうした影響を一切受けることなく社会生活を送ることができます。

当事務所では、初回相談無料・365日24時間お電話で、不起訴処分の獲得に向けた弁護活動を受付けております。前科がつくことへの不安をお感じの方は、一刻も早くご相談ください。早期の対応が、将来を守る最善の道です。


※本コラムは一般的な法律情報の提供を目的としたものであり、個別の事案に対する法的助言ではありません。具体的な事案については、弁護士にご相談ください。

この記事の監修者:弁護士 原 隆(福岡県弁護士会所属 登録番号52401)

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