万引きで後日逮捕される? 警察からの電話への対応や逮捕されるケースについて解説 |福岡で弁護士が刑事事件(示談交渉)をスピード解

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万引きで後日逮捕される? 警察からの電話への対応や逮捕されるケースについて解説

万引きで後日逮捕されることもあります。
万引きは現行犯しか逮捕されないイメージがありますが、窃盗罪に当たるため、万引きが繰り返されていたり、常習犯だったり、被害額が高額だったりする場合は、警察が捜査を行い、後日逮捕するケースもあります。
警察から電話があったらどう対応したらよいのか、万引きで逮捕されるケースについて解説します。
 

万引きは現行犯で逮捕されなくても後日逮捕もありうる?

万引きは、店で万引きした時点で店員、警備員、万引きGメンに見咎められて現行犯逮捕されるケースが多いですが、後日警察に捜査されて逮捕されることはあるのでしょうか?
結論から言うと、万引きは刑法上、窃盗罪という犯罪に当たるため、警察による捜査を受ける可能性が高いですし、後日逮捕されることもあります。
万引きで逮捕されることを回避するためには、弁護士に相談して、示談等の弁護活動を依頼することが大切です。
 

万引きは現行犯以外の逮捕もありうる

万引きというとテレビ番組や事件ニュースなどで、現行犯として逮捕されるケースがほとんどというイメージがあり、万引きして店から出るまでに捕まらなければ、逮捕されることはないと考えている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、万引きで後日、逮捕されるケースもあります。
 

万引きが後日、逮捕されないと誤解される理由

万引きが後日、逮捕されないと誤解されるのにはいくつか理由があります。
 

万引きは現行犯でなければ警察でも逮捕できないと誤解されている

警察が現行犯以外で逮捕するには、証拠を集めたうえで被疑者を特定し、裁判所に逮捕状を請求したうえでの通常逮捕を行わなければなりません。
万引きの場合、確固たる証拠は防犯カメラの映像だけなので、有名人でない限り、名前や住所を特定することは困難です。
また、万引きした商品も食料品などの消耗品の場合は消費してしまえば、証拠が残りません。
こうした事情により、警察も、現行犯でなければ逮捕しづらい面もあります。
ただ、防犯カメラの映像については、店内の映像だけでなく、周辺の監視カメラ映像から、逃走先を特定できることがありますし、駐車場の監視カメラ映像まで辿れれば、犯人の車両ナンバープレートなどから、被疑者の特定が可能なこともあります。
 

万引き一回あたりの被害額が少額である

高額商品については、万引き防止タグや万引き防止センサー(防犯ゲート)などにより、万引き対策を講じているのが一般的です。
一方、簡単に万引きされてしまう商品は、価格もそれ程、高額ではなく、万引き対策を施していたら、コストが見合わないような商品がほとんどです。
そのため、万引きされてしまったら、お店としても諦めるしかないというのが実情と言える面もあります。
また、棚卸しや納品等のお店側の作業中のミスにより、在庫と管理データが不一致になっていたケースもあり得るため、商品がなくなっている原因が万引きなのか管理ミスなのか見極めにくいこともあります。
 
こうした事情もあり、万引きを警察に通報して、通常逮捕してもらおうとまでは、お店としても考えていないこともありますし、警察としても他に様々な事件に対応している中で、少額商品の万引きに対応する余裕がない面もあります。
 
ただ、万引きが繰り返されており、被害額が膨らんでいるケースでは、お店としても、犯人逮捕を望んでいることもあります。
このように万引き回数や累計被害額からして悪質と判断されると、警察が捜査を行い通常逮捕に踏み切ることもあります。
 

万引きで、後日、通常逮捕されるケース

万引きで後日逮捕されてしまうのはどのようなケースなのか解説します。
 

通常逮捕に必要な情報(万引き犯の氏名及び住居)が把握されている場合

まず、通常逮捕とは被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときに、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により逮捕するという刑事手続です(刑事訴訟法199条1項)。
逮捕状には、被疑者の氏名及び住居、罪名、被疑事実の要旨等を記載することになっています(刑事訴訟法200条1項)。
つまり、万引きで後日、通常逮捕がなされるケースでは、万引き犯の氏名及び住居が特定されている状態にあるということです。
 
万引き犯の氏名及び住居が特定されるケースとしては、万引きした商品以外の商品を買う際にクレジットカード等の個人情報と紐づけられる物を利用していた場合や、監視カメラのある駐車場でナンバープレートが確認されていたケースが考えられます。
 

窃盗罪に該当している場合

万引きという犯罪行為は、一般的には、窃盗罪に該当します。
窃盗罪とは、他人の財物を窃取することで、法定刑は、「十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金」となっています。
 
窃盗罪に該当する万引き行為としては、商品棚から商品を取ってポケットやバックに隠し入れたり、マイバックなどに入れて、精算済みであるかのように装って店の外に出てしまう行為が代表例です。
 
なお、万引きした後で、まずいと考えて、店に引き返してレジに並び直して、精算したとしても、窃盗罪は、商品をポケットやバックに隠し入れた時点、あるいは、一旦レジを通さずに店の外に出た時点で、既遂となり、成立しています。
そのため、後で精算していたことが確認できたとしても、常習的に万引きを繰り返していたような場合は、窃盗罪として後日逮捕されることもあります。
 

常習累犯窃盗罪に該当している場合

常習累犯窃盗罪とは、常習的に窃盗行為を繰り返しており、かつ、刑務所に収監されることを繰り返している場合です。
なお、万引きを常習的に行っていても、逮捕・起訴されて、実刑判決を受けたことがなければ、常習累犯窃盗罪には該当しません。
 
常習累犯窃盗罪とは、過去10年以内に窃盗・窃盗未遂罪等で、懲役6カ月以上の刑の執行を3回以上受けて刑務所に収監されていた人が、万引きした場合に成立する犯罪です。
こうした前科がある人は、警察でもマークされている可能性が高く、万引き行為が確認されたら、逮捕されやすいと言えます。
 

万引きの際に店員や警備員等に怪我を負わせていた場合

少額商品の万引きだけでは警察としても本腰を入れて捜査しないこともありますが、万引き犯が、万引きの後で店員や万引きGメン、警備員等に呼び止められて、その場で逮捕されそうになったために、暴行等を行い逃走したケースでは、警察としても本腰を入れて捜査を行うこともあります。
 
万引き犯がこのような行為を行った場合は、事後強盗と言い、より重い刑罰の対象となります。
具体的には、「窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる(刑法238条)」とされており、法定刑は、5年以上の有期拘禁刑になります。
また、店員や万引きGメン、警備員等に暴行した結果、怪我を負わせていたケースでは、強盗致死傷罪に該当することになり、法定刑は最低でも「無期又は6年以上の拘禁刑」さらに、死亡させたときは「死刑又は無期拘禁刑」という重い刑罰に処せられます。
 
万引き商品が少額でも店員等の怪我の程度が重い場合は、警察が本格的に捜査を行い、万引き犯を特定したうえで後日、逮捕を行う可能性が高いと言えます。
 

万引きで後日逮捕されるタイミング

万引きした場合、その犯行事実はどれだけ時間が経過しても消せるわけではなく、逮捕の可能性は後々まで長く残ります。
ただ、一定の期間が経過すれば、逮捕されにくくなることもあります。
 

万引きから1カ月程度が後日逮捕の目安

万引きで後日逮捕されるとしたら、どのタイミングで逮捕されるのでしょうか。
既に述べた通り、万引きで後日逮捕するためには、監視カメラの映像などの決定的な証拠を押さえた上で、万引き犯の氏名、住所も調べる必要があります。
映像確認に時間がかかるケースもあるため、最低でも数日から数週間は捜査のための時間がかかります。
このように捜査にかかる時間を考慮すると、おおよその万引きから1カ月以内が逮捕されるタイミングとされています。
もっとも、万引きから1カ月経過すれば、逮捕されないわけではなく、数か月後、あるいは数年後に逮捕される可能性も否定できません。
 

万引きの公訴時効は7年

刑事事件では時効があることはよく知られていると思います。
数年逃げ切って時効が成立すれば逮捕されないというものですが、万引き=窃盗罪にも公訴時効があります。
刑事事件における時効には、刑法上の「刑の時効」と刑事訴訟法の「公訴時効」の2種類がありますが、よく知られている時効は、公訴時効のことです。
 
公訴時効とは、犯罪行為が終った時から一定期間経過した時は、時効が完成し、起訴したとしても免訴判決を言い渡すしかないという意味になります。
公訴時効は、法定刑の長さにより異なり、窃盗罪は、「十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金」なので、「長期十五年未満の拘禁刑に当たる罪」として、公訴時効は「7年」になります。
 
よって、万引き行為から7年経過した場合は、仮に、警察の捜査を受けたり、逮捕されたとしても、刑罰を受けることはありません。
 

万引きの民事上の損害賠償責任の時効は3年または20年

万引きを行った場合は、お店に対して、経済的な損失を与えたことになります。
この損失については、刑事罰とは別に、被害者であるお店に対して、賠償しなければなりません。
これを民事上の損害賠償責任と言いますが、これについても民法により消滅時効が設けられています。
具体的には、民法724条の不法行為による損害賠償請求権の消滅時効の規定が適用され、
 

  • ・被害者が万引きによる損害及び万引き犯を知ったときから3年
  • ・万引きが行われたときから20年

 
いずれの期間を経過することにより、消滅時効が完成し、損害賠償責任を負う必要がなくなります。
 
まとめると、万引きから7年経過すれば、万引きで後日逮捕される可能性は低くなりますが、万引き犯として逮捕されなかったとしても、万引き後、20年間は、お店から損害賠償を求められてしまう可能性があるということです。
 

万引きで後日、逮捕される場合の流れ

万引きで後日逮捕された場合の刑事手続きの流れについて解説します。
 

警察による接触

万引きは、確定的な証拠が防犯カメラ、監視カメラの映像だけのケースが多く、逮捕に踏み切るにしても決め手が欠けていることもあります。
そこで、後日、逮捕するケースでもいきなり逮捕するわけではなく、まず、次のような形で警察から連絡があるケースもあります。
 

  • ・自宅や携帯電話に連絡があり任意出頭を求められる
  • ・警察が自宅を直接訪問してきて任意出頭を求められる

 
任意出頭の段階では、逮捕状は出ておらず、任意捜査の段階でしかありません。
あくまでも任意なので、出頭に応じるかどうかの選択肢はありますが、任意出頭の要請を無視すると、逮捕の要件である「逃亡の虞」や「証拠隠滅の虞」があるものとして、逮捕されてしまう可能性もあります。
そのため、任意出頭には素直に応じるのが得策です。
 

任意出頭に応じた場合のメリット

警察の任意出頭に応じるのは、わざわざ逮捕されに行くようなもので、得することはないのではないかと思うかもしれません。
しかし、万引き犯が初犯の場合は、任意出頭に応じて、万引きをしたことを自供すれば、微罪処分により、捜査が終結することも期待できます。
微罪処分とは、警察限りで刑事手続きを終了するというもので、検察に送致されることはなく、したがって起訴されて前科が付いてしまう恐れもありません。
 
万引きの前科、前歴がある場合でも、任意出頭に応じれば、逮捕に踏み切ることはなく、在宅捜査、在宅起訴となって、長期間の身体拘束を避けられる可能性もあります。
 

逮捕状による逮捕

万引きによる犯行の態様が悪質な場合は、警察が裁判所に逮捕状を請求したうえで通常逮捕に踏み切ることもあります。
例えば、次のようなケースでは、万引きでも通常逮捕の手続きが取られます。
 

  • ・万引きが複数回に及ぶ場合
  • ・高額商品の万引きなど、万引きの被害額が多額である場合
  • ・万引きやその他の窃盗の前科や前歴がある場合
  • ・任意出頭に応じない場合

 
逮捕された場合は、下記で紹介するとおり、身体拘束を受けた上で、取り調べを受けなければならなくなります。
 

万引きで後日逮捕された後の流れ

万引きで逮捕された後の流れは、通常の刑事手続きと同じです。
逮捕後は、被疑者として最大48時間の取り調べを受けます。
その間に検察に送致されます。
身柄を引き取った検察は、原則として24時間以内に取り調べを行い、さらに取り調べが必要な場合は、裁判所に勾留請求を行います。
裁判所が勾留を認めた場合は、原則10日間、最大で20日間、身柄拘束を受けてしまいます。
その後、検察が、起訴するか、不起訴とするかの判断を行います。
 
起訴する場合は、大きく2つの方法があります。
略式命令(略式手続)と公判(通常起訴)です。
懲役(拘禁刑)に処せられるような重大な犯罪でない場合は、略式命令(略式手続)となり、刑罰は罰金刑に留まることも多いです。
 

万引きで後日逮捕された場合のリスク

万引きで、後日逮捕された場合には、様々なリスクがあります。
 

会社や学校から懲戒処分等を受ける可能性がある

万引きで逮捕された場合は、長期間、身体拘束を受けてしまうため、その間、会社や学校を無断で休まざるを得なくなることもあります。
休んだ理由が万引きによる逮捕であることが発覚した場合は、会社の場合は懲戒処分を受けてしまいますし、学校でも何らかの処分を受けてしまうことがあります。
 

会社や職場に居づらくなる

万引きにより逮捕されたことが発覚したとしても、会社によっては軽い懲戒処分を受けただけで、解雇まではされないこともあります。
その場合でも、万引きで逮捕されたことが社内外に知られてしまうと、社内外の信用が大きく下落してしまいます。
信用を失ってしまい、大きな仕事を任せてもらえなくなるなど、キャリアに大きな影響が出てしまいます。
会社や職場に居づらくなり、退職を余儀なくされてしまうこともあります。
 

前科が付いてしまう可能性もある

万引きで後日逮捕された後で、起訴された場合は、略式命令(略式手続)で罰金刑に留まったとしても、前科が付いてしまいます。
前科が付いた場合は、履歴書の賞罰欄に記載が必要になりますから、就職や転職で不利になります。
また、前科があるために資格が必要な仕事ができなくなることもあります。
私生活でも、前科があるために、結婚が難しくなったり、離婚を求められてしまうといったリスクもあります。
 

まとめ 万引きで後日逮捕されることを防ぐためには?

万引きを行ってしまったという犯行事実を消すことはできません。
ただ、弁護士に相談すれば、後日の逮捕を免れたり、逮捕されたとしても、早期の釈放を目指したり、不起訴処分を勝ち取るための弁護活動を行うことができます。
弁護士に万引きしたことを告白したとしても、弁護士はその場で警察に通報することはありません。
まずは、事情を聞き、その後、どのように対処したらよいのかアドバイスを行ったうえで、正式に受任すれば、被害者である店舗との示談交渉や、被害額の賠償などを行い、警察へも状況に応じた対応を行うことができます。
万引きで後日逮捕されるかもしれないと悩んでいる方は、早めに弁護士にご相談ください。

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