ストーカー・ストーカー規制法違反で逮捕されるケースと対処法について解説します |福岡で弁護士が刑事事件(示談交渉)をスピード解

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ストーカー・ストーカー規制法違反で逮捕されるケースと対処法について解説します

ストーカーを繰り返したりSNSでのやり取りがエスカレートして、ストーカー規制法違反の疑いで逮捕されるケースが相次いでいます。
警察官が逮捕されるケースもあります。
ストーカー規制法違反で逮捕される可能性がある行為、逮捕、起訴されたり、前科をつけないための弁護士への相談方法や対処法について解説します。
 

ストーカー規制法違反・ストーカーで逮捕されるケースと対処法について解説

ストーカーは、相手が嫌がっているのにつきまとい等を繰り返すことです。
恋愛などで相手に相手の気を引くにはある程度のアプローチが必要ですが、エスカレートしてしまい、相手が恐怖を覚えて、警察に相談する事態になると、ストーカー規制法違反となり、警告や接近の禁止命令が出されたり、悪質な場合は逮捕されることもあります。
ストーカーで逮捕されるのはどのようなケースなのか、逮捕された場合の対処法についても解説します。
 

逮捕されるストーカーとは

ストーカーとは、相手が嫌がっているのに付きまとう行為のことです。
相手が嫌がっていても粘ることは、日常的によくあることと言えます。
例えば、訪問営業などの仕事は、少し嫌がられただけで引き下がっていては仕事になりません。
記者などは、粘り強く交渉することで、ネタを掴めることもあります。
ストーカーで逮捕されるのは、ストーカー規制法に抵触する行為を行っている場合です。
 

ストーカー規制法のストーカー行為とは

ストーカー行為とは、恋愛感情や好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的でつきまとい等を行う場合のことです。
 
つきまとい等の類型については、次の10種類が定められています。
 

つきまとい、待ち伏せ、見張り、押しかけ、うろつき 典型的なつきまとい行為のことです。
被害者の通勤や通学、お出かけの途中で待ち伏せしたり、自宅や職場付近をうろつく行為です。
監視していることを伝える行為 被害者を常に監視していると思わせる言動をすることです。
例えば、被害者の帰宅直後に、「おかえり」といったメールや電話をすることが該当します。
面会や交際、復縁を要求する行為 被被害者が拒否しているにもかかわらず、面会や交際、復縁等義務のない行為を要求することです。
著しく粗野または乱暴な言動をする行為 被害者に対して付きまとったうえで暴言等を吐くことです。
無言電話、連続した電話・FAX・手紙・メール・SNSのメッセージ等を送る行為 被害者が拒否しているにもかかわらず、電話やメール、メッセージを繰り返し送ることです。
汚物等を送付する行為 被害者に汚物や動物の死体など、不快感や嫌悪感を与えるものを送り付けることです。
名誉を害する事項を伝える行為 被害者の名誉を傷つける文章などをネットで広めるような行為です。
性的羞恥心を害する事項を伝える行為 被害者にわいせつな写真等を送り付けたり、ネットで広めるような行為です。
GPS機器等を用いて位置情報を取得する行為 スマホのアプリなどを利用して、被害者の現在地を取得するような行為です。
GPS機器を取り付ける行為 被害者の車や持ち物にGPS機器を取り付ける行為です。

 
こうしたつきまとい等は、ストーカー規制法3条により、何人でも禁止されています。
この規制に違反してストーカー行為を行った場合は、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処せられます。
 

ストーカー行為を行った場合はすぐに逮捕されるのか?

ストーカー行為を行った場合はすぐに逮捕されるのでしょうか?
結論から言うと、ストーカー行為は何人でも禁止されており、罰則も設けられているので、ストーカー行為を行っていることが捜査機関に発覚した場合は直ちに、逮捕されることもあり得ます。
ただ、逮捕の前に、警告や禁止命令が出されるケースも多いです。
 

警告とは

ストーカー行為は、一方的に恋愛感情等を抱いた加害者が犯罪であることの自覚がないままに行っているケースもあります。
ストーカー規制法では、被害者からの申出をうけて、警察本部長等がストーカー行為を行っている人に対して、警告をすることができるとされています。
警告は、加害者に対して自分の行為がストーカー規制法に違反していることを認識させるためのものに過ぎません。
そのため、警告が来たからと言ってすぐに逮捕されるわけではありませんし、警告に違反しても、直接の罰則は設けられていません。
 

禁止命令とは

禁止命令等は、ストーカー行為を行っている加害者が、更に反復してストーカー行為を行う恐れがある場合に、被害者の申出により、又は都道府県公安委員会の職権で発します。
禁止命令等は、警告よりも一歩進んで、具体的にやってはいけない行為を明示したうえで発せられます。
禁止命令等の効力は、禁止命令等をした日から起算して1年とされていますし、更新することもできます。
この有効期間中に、加害者が禁止命令等に違反した場合は、通常のストーカー行為よりも重い刑罰に処せられることもあります。
具体的には、2年以下の拘禁刑又は200万円以下の罰金に処せられてしまいます。
 

ストーカー行為で逮捕されるケース

ストーカーは必ず逮捕されるわけではありませんが、悪質なケースや禁止命令等に違反しているケースだと逮捕されることがあります。
 

ストーカー行為が悪質な場合

ストーカー行為で逮捕されるケースは、悪質なケースです。
被害者が警察に相談した時点で、ストーカー行為の態様からして、悪質だと判断した場合は、直ちに加害者の逮捕が行われることもあります。
この場合、ストーカー行為による法定刑は、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金です。
ただ、悪質なケースでは、ストーカー規制法に違反しているだけでなく、刑法上の他の犯罪にも該当していることもあります。
 
例えば、加害者が被害者の住宅内に踏み込んでいれば、住居侵入等の罪に該当しますし、被害者の物を盗んだりしている場合は、窃盗罪に該当します。
 

禁止命令等に違反した場合

ストーカー規制法に基づいて、都道府県公安委員会が、禁止命令等を出したにもかかわらず、加害者が禁止命令等に違反して、被害者のつきまとい等を繰り返している場合は、警察がストーカー規制法違反を理由として加害者を逮捕することがあります。
「つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その現に所在する場所若しくは通常所在する場所の付近において見張りをし、住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつく」といった行為に対して、禁止命令等が出されたにもかかわらず、違反した場合は、2年以下の拘禁刑又は200万円以下の罰金に処せられます。
それ以外の禁止命令等に違反して、ストーカー行為を繰り返した場合も同様です。
また、つきまとい等はしていなくても、それ以外の禁止命令に違反しただけでも、6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処せられてしまいます。
 

ストーカー行為で逮捕された後の流れ

既に警告や禁止命令が出されている場合は、加害者の身元が知られているので、被害者が警察に被害の状況を申し出れば、警察が直ちに取り調べに入ります。
取り調べの結果、悪質なストーカー行為を行っていると判断された場合は、逮捕されてしまいます。
ストーカーで逮捕された後の流れは、通常の刑事事件と同様です。
 

警察の取り調べ

ストーカーで逮捕された後は、警察が取り調べを行います。
被害者との関係や被害者に対して行ったことが改めて確認されます。
 

検察への送致と勾留

警察は逮捕から48時間以内に被疑者の身柄を検察に送致します。
検察も24時間以内に取り調べを行い、逃亡や証拠隠滅のリスクがあるかどうかにより、裁判所に勾留請求を行うかどうか判断します。
裁判所に勾留が認められた場合は、10日間にわたり、被疑者の身体拘束が続きます。
また、捜査の必要性に応じては、最長で20日間にわたり、勾留が続くこともあります。
つまり、一旦逮捕された場合、最長で23日間にわたり、身体拘束を受けてしまう可能性があるということです。
 

起訴・不起訴の決定

検察の捜査が終わると、被疑者を起訴するか、不起訴とするかの判断を行います。
不起訴とした場合は、刑事手続はその時点で終わり、刑罰を受けることも前科がつくこともありません。
悪質なストーカー事件と判断された場合は、検察が起訴することもあります。
起訴した場合は、ほぼ確実に有罪判決が出て、前科が残ってしまいます。
 

刑事裁判

起訴の方法としては、略式起訴と正式起訴の二種類があります。
略式起訴は、簡易裁判所に起訴する刑事手続のことで、100万円以下の罰金又は科料に相当する事件の場合に利用されます。
被疑者に対しては、簡易裁判所から略式命令が出されるので、罰金又は科料を納付して手続きを終わらせるか、14日間以内に正式裁判を申し立てることができます。
正式起訴は、地方裁判所の法廷で検事と弁護士が口頭弁論を行って、被告人の犯罪行為を立証し、裁判官が判決を下す形で行われます。
 

ストーカー事件の刑罰

ストーカー行為による法定刑は、原則として、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金。
禁止命令等が出されたにも関わらず、無視してつきまとい等を行っていたケースでは、2年以下の拘禁刑又は200万円以下の罰金となります。
 
とりわけ、禁止命令等に違反したストーカー行為については、被告人の身柄を釈放したら、再び被害者につきまとう可能性が高いと判断されやすく、拘禁刑を求刑される可能性が高いと言えます。
ただ、刑罰が3年以下の拘禁刑であれば、執行猶予をつけることもできるため、被告人の態度次第では、刑務所に入らずに済むこともあります。
 

ストーカー行為での逮捕・起訴・実刑を防ぐためには?

ストーカー行為での逮捕を防ぐためには、警察から警告等を受けた時点で、つきまとい等をやめることが最善ですが、それでもあきらめきれず、繰り返してしまった場合は、逮捕、起訴といった刑事手続きが進められてしまうこともあります。
このような場合は、弁護士に相談しましょう。
 

被害者に謝罪し、示談交渉を行う

ストーカーでの逮捕・起訴・実刑を防ぐためには、被害者対応が非常に重要です。
ストーカー行為は、実害を受けているのは被害者だけですから、被害者が許せば、捜査機関としても逮捕しない判断や不起訴の判断に傾きやすいと言えます。
 
被害者の許しを得るためには、被害者に謝罪し、示談交渉を行うことが大切です。
ただ、被害者がストーカーとして訴えているわけですし、加害者は被害者と連絡を取ることすら、拒否されているケースが大半です。
加害者が自分自身で、被害者に対して謝罪し、示談交渉を持ちかけようとしても、最初の連絡の時点で拒絶されたり、拒否されてしまうことが大半です。
また、加害者自身がしつこく、被害者に示談を迫ろうとすれば、その行為自体が、つきまとい等とみなされて、ストーカー規制法に違反してしまうこともあります。
 

示談交渉は弁護士に依頼する

ストーカーの被害者との示談交渉は弁護士に依頼するのが原則と言えます。
被害者としても弁護士からの連絡であれば、加害者の代理人であっても、話を聞くケースが多いです。
示談交渉を弁護士に依頼した場合のメリットは次のとおりです。
 

示談が早期に成立しやすい

刑事事件における示談交渉は、早期に成立させることが大切です。
警察が逮捕に向けて捜査を進めていたり、逮捕後、検察が起訴、不起訴の判断をしているケースでは、タイムリミットが限られています。
逮捕された後、起訴された後で、示談が成立しても既に手遅れということになります。
ましてや、有罪判決が出て、刑務所に入ることになってから示談しても、刑事手続的にはほとんど意味がありません。
弁護士に依頼すれば、刑事手続の状況に応じて、速やかに示談成立を目指すことができます。
 

示談金の相場がわかる

ストーカーの加害者被害者双方が、ストーカー行為での示談金の相場を知らない場合は、相場とかけ離れた額で示談を成立させてしまう可能性があります。
示談金の額が相場からかけ離れたものだったとしても、原則として、示談書の無効を主張することはできません。
弁護士ならば、示談金の相場を心得ていますから、事件の態様に見合った額での示談を成立させることができます。
 

適切な示談内容で示談を成立させることができる

刑事事件における示談を成立させる際は、いくつか押さえておくべきポイントがあります。
まず、示談の最大の目的は、被害者の許しを得ることです。
そこで、示談交渉では、加害者が示談金を支払う代わりに、被害者は、加害者を許し、加害者への刑罰を望まない旨の言質を得ることが大切になります。
示談書では、その旨の文言を盛り込むことが重要です。
 
また、被害者は、捜査機関に加害者への刑事処分を求めるとともに、加害者本人に対しては民事上の慰謝料請求を行うことができる立場にいます。
示談では、民事上の損害賠償についても、まとめて解決するのが一般的です。
具体的には、加害者が相当額の慰謝料を支払う代わりに、被害者は民事上の損害賠償請求権を行使しない旨を示談書に盛り込みます。
 

まとめ

ストーカーは、エスカレートした場合、殺人事件に発展してしまうケースもあるため、警察も被害者から相談を受けた際は、厳格な対応を採るケースも増えています。
警告や禁止命令等が出される前にいきなり逮捕される事態も十分に考えられます。
ストーカー規制法違反で警察から逮捕されそうになっている場合や警告や禁止命令等が出されてしまった場合は、早めに弁護士にご相談ください。

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