福岡で実刑を避け、執行猶予を目指している方へ
- 「起訴されて刑事裁判を受けることになった」
- 「検察官から実刑を求刑されるのではないかと不安」
- 「初犯だが、刑務所に行く可能性があるのか知りたい」
- 「被害者との示談がまだできていない」
- 「家族や仕事があるので、何とか実刑を避けたい」
- 「以前にも執行猶予判決を受けており、今度は実刑になるのではないか」
- 「裁判で何を準備すれば執行猶予を目指せるのか知りたい」
このような場合には、判決までの時間を使って、執行猶予を求めるための事情を具体的に整えていくことが重要です。
刑事裁判では、
- 「初犯だから執行猶予になる」
- 「反省していると言えば執行猶予になる」
というものではありません。
事件の内容、被害の程度、前科前歴、被害弁償・示談、事件に至った経緯、本人の反省、再犯防止策、家族の支援、仕事や生活環境など、さまざまな事情を踏まえて裁判所が判断します。
特に被害者がいる事件では、起訴された後でも示談を成立させることには意味があります。
また、家族による監督、治療・カウンセリングなどの再犯防止策、情状証人、被告人質問など、判決までに準備できることもあります。
執行猶予とは?
執行猶予とは、有罪判決で刑を言い渡しながら、その刑の執行を一定期間猶予する制度です。
例えば、
「拘禁刑2年、執行猶予4年」
という判決であれば、直ちに刑務所へ収容されるのではなく、原則として社会の中で生活しながら4年間の執行猶予期間を過ごすことになります。
そして、執行猶予の言渡しを取り消されることなく猶予期間が経過すると、刑法27条により、刑の言渡しは効力を失います。
実刑判決との最も大きな違いは、
刑務所へ収容されるのか
社会の中で生活しながら更生を目指すことができるのか
という点です。
執行猶予でも「前科」はつきます
ここは非常に重要です。
執行猶予判決は、無罪判決でも不起訴処分でもありません。
有罪判決です。
したがって、
「拘禁刑2年、執行猶予4年」
という判決を受けた場合にも、前科はつきます。
「刑務所に入らなければ前科はつかない」
というわけではありません。
前科そのものを避けたいのであれば、まだ起訴されていない段階では、まず不起訴処分を目指せないかを検討する必要があります。
一方、すでに起訴され、有罪判決が見込まれる事件では、
実刑を避け、執行猶予を目指す
ことが重要な目標になります。
まだ起訴されていないなら、まず不起訴を目指せないか検討します
「執行猶予にしてほしい」と相談される方の中には、まだ警察・検察の捜査段階で、起訴されていない方もいます。
この段階では、
最初から執行猶予を目標にする必要はありません。
事件によっては、
- 被害者との示談
- 被害弁償
- 取調べへの適切な対応
- 客観的証拠の収集
- 再犯防止策
- 検察官への意見提出
などによって、不起訴処分を目指せる場合があります。
不起訴となれば、有罪判決を受けないため、その事件について前科はつきません。
したがって、
起訴前
→ 不起訴を目指す
起訴後
→ 実刑を避け、執行猶予を目指す
というように、事件がどの段階にあるかによって目標が変わります。
執行猶予を付けることができる法律上の条件
2026年現在、刑法25条1項では、一定の要件を満たす人について、
3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
の言渡しを受けたとき、情状によって、裁判が確定した日から1年以上5年以下の期間、刑の全部の執行を猶予できると定めています。
大まかに整理すると、次のようになります。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 言い渡される刑 | 3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 |
| 前科に関する要件 | 前に拘禁刑以上の刑に処せられたことがない場合など、刑法25条所定の要件を満たすこと |
| 執行猶予期間 | 1年以上5年以下 |
| 最終判断 | 法律上の条件を満たしたうえで、事件の情状を考慮して裁判所が判断 |
法律上の要件を満たしているからといって、必ず執行猶予になるわけではありません。
反対に、執行猶予の法律上の要件を満たさなければ、刑の全部について執行猶予を付けることはできません。
法定刑が「3年を超える犯罪」でも執行猶予になることはある?
あります。
重要なのは、
その犯罪の法定刑の上限が3年以下かどうか
ではなく、
最終的に裁判所から言い渡される刑が3年以下の拘禁刑になるかどうか
です。
例えば、法定刑として10年、15年までの拘禁刑が定められている犯罪であっても、具体的な事件について裁判所が3年以下の拘禁刑を言い渡すのであれば、他の要件も満たすことを前提として、法律上は執行猶予を検討できる場合があります。刑法25条は、実際に「三年以下の拘禁刑」の言渡しを受けた場合を基準としています。
逆に、裁判所が、
拘禁刑3年6月
拘禁刑4年
など、3年を超える拘禁刑を言い渡す場合には、刑の全部についての執行猶予を付けることはできません。
そのため、執行猶予を目指す事件では、
「有罪か無罪か」だけではなく、「どの程度の刑が相当なのか」という量刑についての弁護活動も非常に重要になります。
初犯なら執行猶予になりますか?
初犯であることは、執行猶予を検討するうえで有利な事情の一つとなることがあります。
しかし、
「初犯なら必ず執行猶予」
というルールはありません。
例えば、
- 被害が重大
- 犯行態様が悪質
- 計画性が高い
- 被害者との示談ができていない
- 余罪が多数ある
- 犯行後も反省が見られない
- 再犯の危険性が高い
などの事情があれば、初犯でも実刑判決となる可能性があります。
逆に、単に「初犯である」という一点だけではなく、
なぜ今後再犯しないと言えるのか
まで具体的に示すことが重要です。
執行猶予中にもう一度犯罪をした場合でも、再度の執行猶予になることはある?
ありますが、通常の執行猶予より厳しい条件があります。
現在の刑法25条2項では、前に拘禁刑に処せられ、その刑の全部について執行猶予を受けた人でも、
今回言い渡される刑が2年以下の拘禁刑
で、
情状に特に酌量すべきものがある場合
には、再度の執行猶予が認められる可能性があります。さらに法律上の制限があり、再度の執行猶予の場合には保護観察が付されます。
ただし、
「前回も執行猶予だったので、今回も執行猶予になるだろう」
と考えるのは適切ではありません。
一度執行猶予によって社会内で更生する機会を与えられながら、再び犯罪をしたという事情があるため、再度の執行猶予を目指す場合には、
- なぜ再犯してしまったのか
- 前回の再犯防止策の何が不十分だったのか
- 今回は何を具体的に変えるのか
- 家族等がどのように監督するのか
- 治療・支援等が必要なのか
を、通常以上に具体的に示す必要があります。
執行猶予を目指すうえで裁判所に伝えるべきこと
執行猶予の判断について、
「この項目を満たせば必ず執行猶予になる」
というチェックリストが法律で決まっているわけではありません。
事件全体の事情が考慮されます。
弁護活動では、例えば、
- 犯行に至った具体的な経緯
- 被害の程度
- 被害弁償・示談の状況
- 被害者の処罰に関する意向
- 前科前歴
- 本人の反省
- 再犯防止策
- 家族による監督
- 仕事や生活環境
- 治療・カウンセリング等への取組み
- 事件後の生活態度
などを整理します。
単に、
「本人は反省していますので執行猶予にしてください」
と主張するのではなく、
なぜ刑務所に収容するよりも社会の中で更生させることが適切なのか
を、具体的な事実と資料によって裁判所へ示すことが重要です。
被害者との示談は執行猶予を目指すうえで重要?
被害者がいる事件では、被害弁償・示談は量刑を考えるうえで重要な事情になることがあります。
例えば、
- 被害額が弁償されている
- 治療費等が支払われている
- 被害者へ謝罪している
- 示談が成立している
- 今後被害者へ接触しないことを約束している
などの事情です。
起訴されたからといって、
「もう示談しても意味がない」
ということではありません。
当サイトの実刑・執行猶予に関する専門コラムでも、起訴後の示談が量刑上重要になることを解説しています。
被害者が示談に応じてくれない場合は?
被害者には、示談に応じる義務はありません。
被害者が、
- 「示談したくない」
- 「処罰してほしい」
と考えている場合には、その意思を尊重する必要があります。
だからといって、
示談できなければ何もできない
というわけではありません。
事件によっては、
- 被害弁償を申し出た経緯
- 謝罪の意思
- 再犯防止への取組み
- 家族による監督
- 本人の生活状況の改善
など、他の事情も裁判所へ示していくことになります。
被害者へ何度も連絡をしたり、
「執行猶予にしてほしいので示談してください」
などと強く求めたりすることは、かえって被害者の不安や処罰感情を強めることがあります。
示談交渉は、被害者の意思を尊重しながら進める必要があります。
「反省文を書けば執行猶予になる」わけではありません
刑事裁判で反省文を提出することがあります。
しかし、
反省文を書いたという形式だけで執行猶予になるわけではありません。
重要なのは、
- なぜ事件を起こしたのか
- 自分の行為の何が問題だったのか
- 被害者にどのような被害を与えたのか
- 再び同じ事件を起こさないために何をするのか
について、本人自身が理解していることです。
例えば、
「二度としません」
だけではなく、
「何を変えたから二度としないと言えるのか」
まで具体化する必要があります。
再犯防止策は「事件の原因」に合わせて考えます
再犯防止策は、事件によって異なります。
例えば、
飲酒が原因となった暴行・傷害事件
飲酒時にトラブルを繰り返しているのであれば、
- 飲酒をやめる・制限する
- 家族の協力を受ける
- 必要に応じて専門機関へ相談する
- 問題となった交友・飲酒環境を見直す
などを検討します。
窃盗・万引きを繰り返している場合
単に商品代を弁償するだけではなく、
- なぜ繰り返しているのか
- 家族による金銭・生活管理
- 店舗へ一人で行かない等の対策
- 必要に応じた医療・支援
などを検討することがあります。
性犯罪の場合
事件内容に応じて、
- 被害者へ二度と接触しない
- 問題となった行動パターンを分析する
- 必要なカウンセリング等を受ける
- 家族等の協力を得る
- 再犯につながり得る環境を見直す
などを検討します。
業務上横領の場合
被害弁償に加え、
- 金銭を自由に管理しない
- 家族に金銭管理へ関与してもらう
- 借金や浪費等の原因を整理する
- 同様の金銭管理業務から離れる
など、事件の原因に応じた具体的な対策を考えます。
家族には何をしてもらえばよい?
執行猶予を目指す刑事裁判では、ご家族の協力が重要になる場合があります。
例えば、
- 釈放後・判決後に本人と一緒に生活する
- 本人の生活状況を確認する
- 飲酒・金銭管理等に協力する
- 治療やカウンセリングの継続を支援する
- 被害者へ接触しないよう監督する
などです。
また、刑事裁判では、家族等が情状証人として法廷に出廷することがあります。
情状証人には、
「しっかり監督します」
という抽象的な話だけでなく、
誰が、どのように、どの程度、具体的に監督するのか
を説明してもらうことがあります。
情状証人は誰に頼めばよい?
必ず家族でなければならないというわけではありません。
事件によって、
- 配偶者
- 親
- 兄弟姉妹
- その他の親族
- 雇用主
などを検討します。
重要なのは、
本人の今後の生活に実際に関わり、具体的な支援・監督ができる人なのか
という点です。
形式的に、
「昔からいい人でした」
と証言するだけではなく、今後どのように再犯を防ぐのかを具体的に説明できるよう、弁護士と事前に打合せを行います。
被告人質問は執行猶予を目指すうえで重要です
刑事裁判では、被告人本人が法廷で質問を受ける被告人質問が行われることがあります。
ここでは、
- 事件についてどう考えているか
- なぜ犯行に至ったのか
- 被害者へどのように考えているのか
- 今後どのように生活するのか
- 再犯をどう防ぐのか
などについて質問されます。
執行猶予を目指すからといって、
裁判官に気に入られそうな答えを暗記する
ことが目的ではありません。
本人が事件についてどのように理解し、具体的にどのような生活を送ろうとしているのかを、自分の言葉で説明できるよう準備することが重要です。
検察官から「拘禁刑4年」と求刑されたら実刑が確定?
確定ではありません。
検察官の求刑は、検察官が裁判所に対して「この程度の刑が相当である」と述べる意見です。
最終的な刑を決めるのは裁判所です。
したがって、検察官が実刑を求刑したからといって、そのとおりの判決が確定したわけではありません。
弁護人は、
- 事件の具体的な経緯
- 被害弁償・示談
- 前科前歴
- 本人の反省
- 再犯防止
- 家族による監督
- 社会生活の状況
- 同種事件の量刑
などを踏まえて、検察官の求刑より軽い刑や、法律上可能な場合には執行猶予付きの判決が相当であることを主張します。
起訴された後でも示談は間に合う?
起訴後でも示談交渉を行うことはできます。
むしろ、
「不起訴には間に合わなかったから、もう示談する必要はない」
と考えるのは適切ではありません。
起訴後に被害弁償・示談が成立した場合にも、その事情を刑事裁判で量刑上の事情として主張することができます。
起訴後も拘置所にいる場合はどうなる?
逮捕・勾留されたまま起訴された場合、起訴後も身体拘束が続くことがあります。
その場合には、事件内容に応じて保釈請求を検討します。
保釈が認められれば、判決まで社会の中で生活しながら裁判に対応できます。
また、保釈中に、
- 仕事を続ける
- 家族と生活する
- 被害者へ接触しない
- 治療や再犯防止策を継続する
など、社会内で適切に生活していること自体が、今後の更生環境を具体化することにもつながります。
執行猶予を目指すために弁護士ができること
1 執行猶予が法律上可能なのか確認する
まず、
- 想定される罪名
- 法定刑
- 起訴された内容
- 前科前歴
- 前回の刑
- 現在の執行猶予の有無
などを確認し、刑法25条上、刑の全部の執行猶予が法律上可能なのかを検討します。
2 事件の経緯を詳しく確認する
刑事裁判では、結果だけではなく、
なぜ事件が起きたのか
どのような経緯があったのか
も重要になる場合があります。
本人から詳しく事情を聞き、客観的な証拠と照らし合わせて整理します。
3 被害者との示談・被害弁償を進める
被害者がいる事件では、起訴後でも示談交渉を進めます。
謝罪、被害弁償、示談、今後の接触禁止などについて、被害者の意思を尊重しながら話合いを行います。
4 再犯防止策を具体化する
事件の原因を分析し、
- 家族の監督
- 治療
- カウンセリング
- 飲酒への対応
- 金銭管理
- 生活環境の変更
など、その事件に応じた具体的な対策を検討します。
重要なのは、判決直前に「これからやります」と言うだけではなく、できるものについては実際に始めておくことです。
5 情状証人を準備する
誰を情状証人とするのが適切かを検討し、本人との関係、監督方法、今後の生活について具体的に証言できるよう準備します。
6 被告人質問の準備をする
想定される質問を確認し、本人が事件の経緯、反省、再犯防止、今後の生活について、自分の言葉で説明できるよう打合せを行います。
7 裁判所へ執行猶予が相当であることを主張する
示談、被害弁償、事件経緯、反省、再犯防止策、家族による監督、仕事などの事情を整理し、
本件では実刑ではなく、社会内で更生する機会を与えることが相当である
という観点から弁論を行います。
執行猶予判決を保証することはできません
刑事事件の判決を決めるのは裁判所です。
そのため、
- 「弁護士に頼めば必ず執行猶予になる」
- 「示談すれば必ず執行猶予になる」
- 「初犯なら絶対に実刑にならない」
ということはできません。
事件の重大性、被害、前科前歴などによっては、十分な弁護活動を行っても実刑判決となる場合があります。
重要なのは、
判決までの間に、その事件についてできることを一つずつ具体的に積み重ねること
です。
執行猶予中に犯罪をするとどうなる?
執行猶予中に新たな犯罪をした場合には、執行猶予が取り消される可能性があります。
例えば、猶予期間内にさらに罪を犯し、新たな事件について拘禁刑以上の刑を受け、その刑の全部について執行猶予が付かなかった場合には、原則として従前の執行猶予も取り消されます。
また、猶予期間中の犯罪で罰金刑を受けた場合や、保護観察中に重大な遵守事項違反があった場合には、裁判所の判断によって取り消されることがあります。刑法26条、26条の2が現在の取消事由を定めています。
そのため、
「執行猶予が付けば事件はすべて終わり」
というわけではありません。
執行猶予期間中こそ、再犯防止のための生活を継続することが重要です。
執行猶予期間が終われば前科は消える?
刑法27条では、執行猶予を取り消されることなく期間を経過した場合、
「刑の言渡しは、効力を失う」
とされています。
ただし、
過去に有罪判決を受けたという歴史的事実そのものが存在しなかったことになる
という意味ではありません。
また、資格、職業、各種手続への影響については、それぞれの制度ごとに確認が必要です。
「前科」という言葉には日常用語としての意味と法律上の効果が混在することがあるため、具体的な影響については個別に確認してください。
会社に知られずに執行猶予で仕事を続けられる?
執行猶予判決であれば、実刑判決のように刑務所へ収容されることはありません。
そのため、社会内で生活・就労を続けられる可能性があります。
しかし、
- 執行猶予なら会社に必ず知られない
- 執行猶予なら会社から一切処分されない
というわけではありません。
すでに逮捕や起訴について勤務先が把握している場合もありますし、事件内容、就業規則、職種などによって会社への影響は異なります。
特に公務員や資格職などでは、拘禁刑以上の有罪判決が法律上の資格・身分に影響する場合もあるため、個別の確認が必要です。
原綜合法律事務所の刑事事件担当弁護士
原綜合法律事務所では、起訴後の刑事裁判についても弁護を行っています。
執行猶予を目指す事件では、
- 法律上、執行猶予が可能なのか
- 示談を進められるのか
- 事件経緯について主張すべき事情があるのか
- 再犯防止策として何を行うのか
- 誰を情状証人とするのか
- 被告人質問で何を説明するのか
- 検察官の求刑に対してどのような量刑が相当なのか
などを一つずつ整理して刑事裁判へ臨みます。
当事務所では、起訴後の重大事件についても、事件経緯等を証拠に基づいて主張し、検察官の求刑を下回る判決となった公判弁護事例を掲載しています。
執行猶予を目指す場合の弁護士費用
現在、原綜合法律事務所の弁護士費用ページでは、起訴後の方向けに、
「起訴後弁護プラン」
を設けています。
現在の掲載料金は、
- 着手金 33万円
- 報酬金 33万円
- 保釈報酬 11万円
となっており、起訴後弁護プランの内容として、
- 公判期日の準備
- 公判廷での弁護活動
- 身柄事件の場合の保釈請求
などを掲載しています。報酬発生条件等の詳細については料金ページをご確認ください。
執行猶予についてよくあるご質問
Q 初犯なら執行猶予になりますか?
初犯であることは有利な事情の一つとなる場合がありますが、必ず執行猶予になるわけではありません。
事件の重大性、被害結果、示談、犯行態様、反省、再犯防止策などを含めて判断されます。
Q 示談すれば執行猶予になりますか?
必ずではありません。
もっとも、被害者がいる事件では、被害弁償や示談の成立が量刑上重要な事情になる場合があります。
起訴された後でも示談には意味があります。
Q 起訴されたら必ず前科がつきますか?
起訴された段階では、まだ有罪判決が確定したわけではありません。
無罪を争う事件もあります。
一方、事実を認めており、有罪判決が見込まれる事件では、執行猶予付き判決であっても有罪ですので前科はつきます。
Q 執行猶予なら刑務所には行きませんか?
刑の全部について執行猶予が付され、その執行猶予が取り消されなければ、その刑について直ちに刑務所へ収容されることはありません。
ただし、執行猶予中の再犯等により猶予が取り消される場合があります。
また、「刑の一部の執行猶予」は、刑の全部についての執行猶予とは異なります。
Q 検察官から実刑を求刑されました。もう執行猶予は無理ですか?
求刑は検察官の意見であり、最終的な判決ではありません。
裁判所が事件全体を踏まえて刑を判断します。
判決まで、示談、再犯防止策、家族による監督など、追加して主張できる事情がないかを検討することが重要です。
当事務所にも、重大事件の公判で弁護側の主張の一部が量刑上考慮され、検察官の求刑を下回る判決となった事例があります。
Q すでに執行猶予中ですが、もう一度執行猶予になる可能性はありますか?
法律上、再度の執行猶予の制度はあります。
2026年現在、刑法25条2項では、今回の刑が2年以下の拘禁刑であり、情状に特に酌量すべきものがある場合など、厳しい要件の下で再度の執行猶予が認められる可能性があります。
通常の執行猶予以上に慎重な検討が必要ですので、前回の判決内容が分かる資料を持参して弁護士へ相談してください。
Q 起訴された後から弁護士を変えることはできますか?
私選弁護人については、起訴後に新たな弁護士へ相談することもできます。
現在の弁護方針、裁判の進行状況、次回期日までの期間などを確認したうえで対応を検討します。
Q 国選弁護人がいますが、私選弁護士にも相談できますか?
私選弁護士へ相談すること自体は可能です。
現在どこまで裁判が進んでいるのか、示談・情状立証・被告人質問等についてどのような方針が取られているのかを確認したうえで検討してください。
Q 家族は裁判のために何をすればよいですか?
事件によりますが、
- 本人の生活を監督する
- 再犯防止策に協力する
- 治療等を支援する
- 必要に応じて情状証人として出廷する
ことなどを検討します。
単に「家族が支えます」というだけではなく、具体的にどのような支援・監督ができるのかを弁護士と整理することが重要です。
Q 判決が近いのですが、今からでも示談する意味はありますか?
判決前であれば、示談・被害弁償その他の事情を裁判でどのように扱えるか検討する意味があります。
ただし、裁判がどの段階まで進んでいるかによって取るべき対応が異なりますので、できるだけ早く弁護士へ相談してください。
Q 執行猶予期間は何年ですか?
刑法25条1項では、刑の全部の執行猶予期間を1年以上5年以下としています。
具体的に何年間となるかは、裁判所が事件ごとに判断します。
Q 執行猶予中に罰金刑を受けたら必ず取り消されますか?
必ずではありません。
刑法26条の2は、猶予期間内にさらに罪を犯して罰金に処せられた場合について、執行猶予を取り消すことができるとしています。つまり裁量的取消しの対象です。
一方、拘禁刑以上の新たな刑を受け、その刑の全部について執行猶予が付かない場合などには、必要的取消しが問題になります。
福岡で実刑を避け、執行猶予を目指している方へ
刑事裁判で執行猶予を目指す場合、
「裁判の日に反省していると伝えればよい」
というものではありません。
重要なのは、
事件内容・量刑を分析する
↓
被害者がいる場合は示談・被害弁償を進める
↓
事件の原因を分析する
↓
具体的な再犯防止策を始める
↓
家族等による監督環境を整える
↓
情状証人・被告人質問を準備する
↓
裁判で執行猶予が相当であることを主張する
という流れで、判決までにできることを積み重ねることです。
特に、
すでに起訴されている
検察官から実刑を求刑されることが心配
被害者との示談がまだ成立していない
前科があり実刑が心配
現在執行猶予中に再び事件を起こした
家族や仕事があり、刑務所への収容を避けたい
という場合には、早い段階で今後の裁判についてご相談ください。
原綜合法律事務所では、起訴後の刑事裁判についても弁護を行っており、現在の料金ページでも**「執行猶予判決を目指した法廷弁護活動」**を起訴後弁護プランとして案内しています。
